我が家ではバックアップ兼メディアサーバーが稼働しています。
そのサーバーにいくつかHDDを積んでいるのですが、ひとつだけ若干容量が少なくて、使っていないHDDがあるので、今回はそれを取り外していきます。
Linux MintのLVMを利用しているため、単純に取り外すだけではおそらく不具合が発生するので、しっかり手順を踏んでいかないとなりません。
この記事では、LVM利用環境からHDDを取り外したときの手順を記載します。
使用環境
今回使用する環境は以下のとおりです。
OS | Linux Mint 21.2 |
HDD① | 6TB |
HDD② | 6TB |
HDD③ | 4TB |
HDD④ | 4TB |
HDD⑤ | 1.82TB ※今回取り外すHDD |
その他 | LVM利用 Teraterm利用(SSH) |
おそらく、違うLinuxOSでも同様の手順で出来ると思いますのでご参考に。
LVMで不要なボリュームを削除する手順
実際にLVMで不要なボリュームを削除していきます。
赤太字が入力するコマンドになります。
またボリューム名などは、自分の環境に合わせて、適宜読み替えてください。
対象機器にアクセスする
SSHや画面から操作する機器に接続して、コンソールを開いてください。
Teratermや画面のコンソールのコマンドが入力できれば何でも良いです。
rootユーザーに切り替え
HDD関連の操作をするので、rootユーザーに切り替えます。
$ sudo su -
[sudo] パスワード: ****
#
現在の物理ボリュームの状態を確認する
pvsコマンドで現在の物理ボリュームを確認します。
# pvs -o+pv_used
PV VG Fmt Attr PSize PFree Used
/dev/sda1 vg_nas lvm2 a-- <3.64t 198.09g <3.45t
/dev/sdb1 vg_nas lvm2 a-- <5.46t 0 <5.46t
/dev/sdc1 vg_nas lvm2 a-- <3.64t 0 <3.64t
/dev/sdd1 vg_nas lvm2 a-- <5.46t 0 <5.46t
/dev/sde1 vg_nas lvm2 a-- <1.82t <1.82t 0
今回は「vg_nas」ボリュームグループの「/dev/sde1」を削除します。
PFree欄やUsed欄から、削除するボリュームを全く使用していないので、この手順ではそのまま削除します。
ボリュームグループから物理ボリュームを削除する
vgreduceコマンドでボリュームグループから物理ボリュームを削除します。
削除後、再度物理ボリュームの状態を確認します。
# vgreduce vg_nas /dev/sde1
Removed "/dev/sde1" from volume group "vg_nas"
# pvs -o+pv_used
PV VG Fmt Attr PSize PFree Used
/dev/sda1 vg_nas lvm2 a-- <3.64t 198.09g <3.45t
/dev/sdb1 vg_nas lvm2 a-- <5.46t 0 <5.46t
/dev/sdc1 vg_nas lvm2 a-- <3.64t 0 <3.64t
/dev/sdd1 vg_nas lvm2 a-- <5.46t 0 <5.46t
/dev/sde1 lvm2 --- <1.82t <1.82t 0
正常に削除できたら、VG欄が空白になります。
これでボリュームグループから外されました。
物理ボリュームを削除する
fdiskコマンドでパーティションを削除して、物理ボリューム情報を削除します。
# fdisk /dev/sde
fdisk (util-linux 2.37.2) へようこそ。
ここで設定した内容は、書き込みコマンドを実行するまでメモリのみに保持されます。
書き込みコマンドを使用する際は、注意して実行してください。
コマンド (m でヘルプ): p
ディスク /dev/sde: 1.82 TiB, 2000398934016 バイト, 3907029168 セクタ
Disk model: X
単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 4096 バイト
I/O サイズ (最小 / 推奨): 4096 バイト / 4096 バイト
ディスクラベルのタイプ: gpt
ディスク識別子: X
デバイス 開始位置 最後から セクタ サイズ タイプ
/dev/sde1 2048 3907029134 3907027087 1.8T Linux ファイルシステム
コマンド (m でヘルプ): d
パーティション 1 を選択
パーティション 1 を削除しました。
コマンド (m でヘルプ): p
ディスク /dev/sde: 1.82 TiB, 2000398934016 バイト, 3907029168 セクタ
Disk model: X
単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 4096 バイト
I/O サイズ (最小 / 推奨): 4096 バイト / 4096 バイト
ディスクラベルのタイプ: gpt
ディスク識別子: X
コマンド (m でヘルプ): w
パーティション情報が変更されました。
ioctl() を呼び出してパーティション情報を再読み込みします。
ディスクを同期しています。
削除されたことを最終確認する
完全に切り離されたことを確認します。
# pvs -o+pv_used
PV VG Fmt Attr PSize PFree Used
/dev/sda1 vg_nas lvm2 a-- <3.64t 198.09g <3.45t
/dev/sdb1 vg_nas lvm2 a-- <5.46t 0 <5.46t
/dev/sdc1 vg_nas lvm2 a-- <3.64t 0 <3.64t
/dev/sdd1 vg_nas lvm2 a-- <5.46t 0 <5.46t
手順の実施が完了したら、/dev/sde1が表示されなくなりました
ここまで行ったら、HDDを取り外してしまって問題ありません。
まとめ|Linux MintのLVMで不要なボリュームを削除してみた
これで無事HDDを取り外すことができました。
今回は、取り外すHDDを使用される前だったので、簡単な手順で完了しましたが、使用されていた場合はpvmoveコマンドを実行したりしないとならないので、もっと時間がかかると思います。
HDDを交換する機会があった場合は、その手順もまとめていきます。
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